「出張授業」に行ってきました①
県立A高校で看護についてお話させていただきました
今年の夏はいつもと違います。例年なら「高校生ナース体験」を病院や診療所、介護施設などで受け入れていたのですが、この夏は新型コロナウィルスの影響でナース体験やボランティア体験はすべてできなくなってしまいました。
お話を聞くと、大学のオープンキャンパスもほとんどがリモートになっているそうです。学生さんが直に看護や医療の仕事を目にする機会がなく、体験から学ぶという機会が持てないのが現状です。
体験と自身の将来を照らし合わせて考える貴重な機会が今年の夏は持てない…。
そんな中、県立A高校の先生方から、「看護・医療系を目指す生徒に、看護の仕事とはどういうものか。その仕事の魅力などを講義してほしい。」とのご依頼がありました。
そこで、夏休み前の7月、県立A高校に病院職員である私たちが出向き、「出張講義」という形で看護についてお話させていただきました。
最初は新人研修の様子を動画で
まず、昨年度の千葉民医連・新人研修の様子を編集した動画を見てもらいました。
ドラマ「恋はつづくよどこまでも」の主題歌にもなっていた「official 髭男dism」の「I LOVE…」という曲をバックに1年間を通して行った新人研修を写真で振り返る動画です。
点滴・注射の練習、車椅子への移乗の練習、看護サマリーの書き方など学んできた新人研修の記録です。
研修で学んだことを病棟で生かしながら、同期の仲間とともに乗り越えてきた1年の記録…。
毎年入職1年目の最後の研修でこの動画を流すのですが、感極まって涙を流す看護師もいます。
ノンフィクションの看護師たちの成長記録。A高校の生徒さん達も真剣に見てくれました。
看護師の仕事とは?
そのあとは看護師の仕事の実際をお話しました。
看護師の仕事は大きく2つ「診療の補助」と「療養上の世話」に分かれます。
そのうち「療養上の世話」は治療を受けながら患者さんが日常生活を快適に過ごせるように援助すること。
日常生活とは、食べる・動く・眠る・清潔を保つなど生活の営みのすべてが含まれます。
食事が一人で難しい人には「食事介助」、一人で動くことが難しい人には「移動介助や車椅子介助」というように、患者さんを中心に療養生活をより良くしていくための援助をしていきます。
看護師の仕事として「点滴をして注射をして…」というのはすぐ想像つくけれど、意外に多いのが排泄の援助です。
若い学生さんには想像がなかなかつかないかもしれないけれど、高齢化が進む医療現場では、おむつ排泄の方、管を通して排出をしないといけない方、いろんな方がいて排泄のケアは日常とても多いのが実際です。
ナース体験に来た学生さんがびっくりしてしまうこともよくあります。
だから、言葉が難しいのですが、必ずしも「きれいな」ことばかりでなく、排泄や保清(身体の清潔を保つこと)の介助といった業務も看護師の大事な仕事のうちの一つ。
ドラマなどで見かける仕事内容はほんの一部で、実際とは様子が違うこともあったりします。表面的にならないよう、実際の仕事の内容を話していきました。
「百聞は一見に如かず」 本当を言うと、この仕事は実際の臨床現場を少しの間でもいいから見て、体験して、自分にはできる仕事かな?と熟考してから進路を決めた方がいい職種だと思います…。(今はなかなか難しいですが…)
私たちの話でどのくらい学生さんに看護のことが伝わっただろうか、言い足りないことはなかっただろうか。そう思いながらも一旦「看護師の仕事とは?」のお話を終えました。
この後は、学生さんたちからいただいた質問に答えていきます。
★②に続きます!
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